まず最初に、今一度タイムトラベル物のゲームを制作するという点に戸惑いを覚えたというのが、自分の今作に対する、正直な感想でした。過去に同様のテーマのゲーム制作に関わったことがあるので、それと同じようなものを作るわけにはいかず、また作ろうと思っても作れるわけではない。いろいろ考えた末に、これまでやってなかった新しいテーマがふと浮かんだ。
「殺された未来を、救けに行こう。時の闇の降る前に……」
ああ、それなら、やれるなと。そして、今このスタッフで作る、今でしか作れない、新しいタイムトラベルのゲームができれば、それでいいだろうと。
こうして2年を経て、『アナザーエデン』というタイトルのゲームが、ようやく形になりました。物語としては、第一部としてきちんと完結してエンディングを迎えますが、さらなる時代、さらなる舞台へと、彼らの冒険の旅は時空を超えて、どんどん拡がって行きます。おそろしいことに(笑)。
スタッフみんなの情熱が込められた一作です。どうか楽しんでプレイしてください。
『アナザーエデン』はRPG好きな熱いスタッフが結集し、2年という歳月をかけて、最後まで丹精込めて作った作品です。
サウンド面においては、プロキオン・スタジオの精鋭作曲家、土屋俊輔とマリアム・アボンナサーがメインとなって数々の素晴らしい楽曲を作り上げました。
スマートフォンゲームの域を越えたゲームを是非、高級ヘッドフォンをつけてお楽しみください。
『アナザーエデン』の音楽制作を始めたのが2015年7月でしたので、1年半近く曲を制作していたことになります。最初の方に作っていた曲が今聞くととても懐かしく、感慨深さで一杯です。
本作では古き良きRPGをテーマに、特にメロディを最重視して制作しています。その頃のRPGは個人的にも大好きですので、楽しみながら制作することができました。また様々な演奏者の方に協力頂いて生音をレコーディングするなど、音質にもこだわっています。
そんな『アナザーエデン』、是非、音楽を聴きながらプレイしてもらえると嬉しいです!
今回の作品は過去、現在、未来へとタイムトラベルするということで、オーケストラ、民族、ロックなど様々な音楽を土屋さんと一緒に作りましたが、特に意識していたことはいかに色んな時代の世界観を『アナザーエデン』という1つの世界に統一させるか、でした。
世界観のあるデザイン、壮大なストーリー……
きっとRPGファンの方にとってはたまらない要素がぎゅっと詰まった作品になったと思います。ゲームを楽しみながら音楽にも耳を傾けていただければ嬉しいです。
自分は徒歩で山に入りカブトムシを捕まえられるくらい田舎で育ちましたが、家に帰るとほぼ毎日ゲームをしていました。秘密基地や山で遊ぶ楽しさと並べて全く引けをとらない冒険がそこにあってその世界に浸り、空想し、いくつもの世界を歩けたからです。
当時プレイしたゲームは今や伝説となっているものが多いですが、今考えると拙い表現力ではありました。その世界がなぜ豊かに感じられたかを考えてみると、表情を読み取ることも難しいドットでいかに楽しく世界の広がりを見せるかが工夫され、セリフ一つ一つ、ドットアニメーション一つ一つ1ドットのこだわりをもって描かれていたからなのだろうと思います。
この『アナザーエデン』は、そんな2Dゲームの醍醐味を知ったスタッフ全員がよってたかって本気で取り組んだゲームです。
アート面においてはキャラクターを操作し、選択し、歩き回れる絵本のようなものにまとめたいと考え、切り取られた表現の中にある余白に想像をめぐらす余地が作れたらとこだわり、温かみある手描き2Dグラフィックを選びました。ただ古き良きRPGを回顧しているだけでなく、チーム内で2.5Dと呼ばれる新しい形に進化もさせていますので、その部分を特にプレイして体感していただけると嬉しいです。
プレイしてくださるみなさんの冒険を、空想を、ワクワクを広げられるよう自分たち自身楽しんで作りました。